不妊・去勢手術

不妊・去勢手術について

不妊手術のことを、オス猫・犬の場合は去勢(きょせい)手術、メス猫・犬の場合は避妊(ひにん)手術と言います。
飼い猫・犬と暮らす上で、軽い気持ちでの繁殖は貰い手のない子猫・子犬を生み出すことにもなりかねません。
ペットにとって決して良いことばかりとは言えませんが、不幸な子猫・子犬を減らすには、まず不妊手術を施すことが飼い主のつとめです。

不妊・去勢手術について

不妊・去勢手術の流れ

当院では開腹手術の他、動物の体に優しい腹腔鏡手術も行っております。
また乳歯遺残があった場合は、同時に乳歯抜去も行うことができます。
術式や使用する機器は飼い主様と事前に相談してから決定します。
病院という性質上、伝染病の患者さんや、ノミダニがついた患者さんも来院する可能性もありますので事前にワクチン接種やノミダニの予防をお勧めします。

① 診察

手術可能かどうかの診察や麻酔前検査が必要です。診察にいらしてください。
検査後、獣医師と日程と術式、鎮痛剤を決めます。

② 手術前日

前日の夜12時までにご飯を済ませてください。
当日ごはんは抜きですが、特別に作られた流動食であれば手術当日の8時までに食事することも可能です。
スタッフまでご相談ください。

③ 手術当日

11時までに来院してください。

④ 手術後

男の子や腹腔鏡手術を選択した女の子であれば当日の夕方にお返しできます。開腹手術を行った子は経過観察のため一泊入院になります。
尚この時の入院費用は頂いておりません。
手術当日のご飯は抜いてあげてください。
麻酔当日の食事は誤嚥のリスクがあります。
傷口をいじらないように帰宅時にエリザベスカラーもしくはエリザベスウエアをつけた状態でお返しします

⑤ 抜糸

術後10日から2週間後に抜糸を行います。

当院ではオーナー様に手術の形式をお選びいただいております

腹腔鏡手術について

開腹による避妊

腹部を4~5㎝切開し、卵巣・子宮を体外に出し手術を行う
一泊お泊りします。

開腹による避妊

開腹時のキズは大きくなります

腹腔鏡による避妊手術

3ヵ所の小さな穴を腹部にあけ、カメラ・超音波メス・鉗子をそれぞれ入れ、お腹の中で映像を見ながら手術を行う

メリット

  • 傷が小さい
  • 出血が少ない
  • 痛みが少ない
  • 術後の回復が早い
  • 拡大画像を見られる為
  • 確実に処置ができる
  • 当日帰り
腹腔鏡による避妊手術

腹腔鏡時のキズは小さくてすみます

腹腔鏡による避妊手術

映像を見ながら手術をおこないます

超音波メスについて

超音波メスとはメスの刃先が1秒間に数万回と細かく振動することにより組織を切る機械です。
直径3mmまでの血管を出血なしで切る事ができ、今までのメスと違い使用時にほとんど出血がありません。

超音波メスで血管を切離している様子

超音波メスで血管を切離している様子

超音波を使用するメリット

今までは太い血管は前もって糸でしばってから切断していました。そのため使った糸が体内に残ります。最近体内に残った糸が反応し肉芽腫*を起こす事が大きな問題となっています。

*肉芽腫:わかりやすく一言でいえば、見た目で組織がコブ状に見える炎症性病変をいう
超音波メスの使用は精巣動静脈、卵巣動静脈の切離に使用します。

犬の去勢後にできた肉芽腫

犬の去勢後にできた肉芽腫

肉芽腫を摘出しているところ

肉芽腫を摘出しているところ

超音波メスを使う事によって肉芽腫を起こす心配から開放されます。
超音波メスの使用を是非お勧めします。