市原・山口動物病院 症例

外科系
種名:犬 
年齢:  
症例:椎間板ヘルニア

検査

椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板の中心にある髄核というものが、脊髄の通っている脊柱管内にとびだして、脊髄神経を圧迫することで起きます。人のぎっくり腰はこれが腰部で起きたものです。
ダックスフンド、ペキニーズ、プードルなど軟骨異栄養症性の犬種での発生が多く、首から腰までどこでも起きる可能性があります。
症状は、背骨に沿う部分の痛みや、ふらつきなどです。重症になると、足が麻痺して立てなくなったり歩けなくなったりします。自力での排尿・排便が困難になる子もいます。
原因は、段差の移動やジャンプ・激しい運動などがあります。また、わんちゃんを縦抱き(背骨が地面と垂直になるような抱っこ)することも、椎間板に負担がかかります。

治療

治療は、大きく分けて内科治療と外科治療の2種類ありますが、一番大切なのはケージレスト(わんちゃんに合ったスペースの中で運動を制限すること)です。
今回紹介させて頂くリロちゃんも突然の後肢麻痺により、起立困難になって来院されました。内科治療からスタートし、1週間が経過した時点でわずかな良化が認められましたが、劇的な改善が見込まれなかったため、MRIの撮影をお願いして外科手術を行いました。
現在、手術から1か月半が過ぎ、まだふらつきは残っているものの、自力で立ち上がり、歩けるまでになりました。今後も経過をみていく予定です。

コメント

内科治療・外科治療のどちらにもそれぞれメリット・デメリットがあり、状態によっては選択できない治療もあります。もし、飼っているわんちゃんにこのような症状がみられた場合は、早めに来院して診察を受けていただき、その子に合った治療を選択して頂きたいです。